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2010年2月 3日 (水)

【東京】ワイン造りと建築デザイン

Arlousan僕自身ワインに詳しい訳では全くないのですが、ご縁があって、楽しく語らいながらワインを楽しむ会を友人数名と定期的に開いています。これまでに「ビオワインの会」「ブルゴーニュの会」「シャンパーニュの会」などを開いてきました。会の企画や当日のレクチャーをしていただいているのは、ワイン輸入会社ヴァンパッシオンさん。その代表・川上さんの言葉で印象に残るものがありました。それは、ビオワインの会での「どんな造り方をしているか常に見ているわけにはいかないので、造り手の人柄がとっても大事」という言葉です。

昨年11月、川上さんのそんな言葉を実感する機会に恵まれました。川上さんが輸入するワインの造り手、シプリアン・アルローさんを招いてのテイスティング会でのことです。
穏やかながら楽しそうにワインを語るアルローさん。直接お話するチャンスもあったのですが、何かを大げさに表現するでもなく、素朴でありながら、静かな情熱と知性を漂わせる佇まいに、不思議と「確かにこの方の造るワインなら安心して飲むことができるな」と感じることができたのでした。
アルローさんと記念撮影。ぜひドメーヌ・アルローを訪れてみたいと思いました。

建築もワインも機械で大量生産する訳にはいきません。華やかなワインが出来上がるまでには、日々の地味な作業の積み重ねがあるのです。 そこには造る人の人間性がにじみ出てくるのでしょう。 毎年出来の違うぶどうと対峙してワインを生みだしていく過程は、毎回違う敷地や要望と向き合い、そこにピッタリと収まる解を求める建築の設計に似ているような気がします。

自分で事務所を持ってから、より強く感じるようになったのが、建築の設計をしているとは言うものの、80%くらいは、人とのコミュニケーションに時間を使っているということです。
すばらしい建築が出来上がったと、自分がどれほど手応えを感じていたとしても、建て主さんとの間に信頼関係がないと、それを十分に感じてもらうことは難しい。完成した作品だけを見て、そこに注ぎ込まれた情熱や細部へのこだわりを感じ取ることができる人は、それほどたくさんはいないのだろうと思います。この人ならきちんとやってくれるだろうという安心感をもってもらうこと。これが何より大切だなと感じています。

Pigeon日本にいると造り手の話を聴きながらワインを楽しむなんて、なかなかできることではないのですが、アルローさんを招いてのテイスティング会は、いろいろな意味で味わい深いとっても贅沢な楽しみ方を体験することができた会になりました。(金子広明)

会場となったJ.H.V.の料理、小鳩のロティとジロールのフリキャッセ。旬のジビエとの相性もバッチリでした。

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