【東京】e 年でありますように!
2010年元旦、友人2人と一緒に年明けの食事をしました。新たな年が「明けたなら開けなくちゃ!」ということで、先ずはシャンパーニュを開栓。2010年の幕開けに感謝して「乾杯!」しました。故郷を出てから35年経ち、既に勝手気ままな年末年始の過ごし方が身についてしまいましたが、今年は、24時間営業のコンビエンスストアも携帯電話もなかった時代の年の瀬の風景を懐かしく思い出しました。
時代は変わったとはいえ、やはりお正月にそれぞれの食材に意味が込められたおせち料理を食べると、新年を正しく迎えられた気持ちになります。
師走の29日には、年越し、そして正月三が日の為の家族全員の食料を整えるべく、祖母と母がおせち料理をせっせと作り、父は伸し餅を切り、鏡餅を神棚や玄関に供えていました。商店が戸を立て、雪の中静まりかえった年末年始は、子供心に神聖な空気が感じられたものです。そしてひとつ歳を取り、少しだけ大人になって頂くおせち料理には格別のおいしさがありました。
何故突然昔の事を思い出したかと言うと、それは友人の堀さんお手製のおせち料理を戴いたからです。なます、数の子、黒豆、紅白のかまぼこ、田作り、そして、じっくり味を染みこませたニンジン、 こんにゃく、筍、椎茸、レンコン、里芋、ゴボウ、鶏肉の「いり鶏」。特に「いり鶏」は子供の頃、家のおせち料理にあった、ほんのり甘くてしょっぱい煮しめに味がとても良く似ていました。箸をのばして「いり鶏」の筍を口に運んだ瞬間、そのシュンという歯触りと醤油とみりん、砂糖が混じり合った懐かしさ一杯の味に、故郷で過ごしたお正月の風景が、スライドショーの様に次々と脳裏によみがえりました。食べ物と記憶とが固く結びついていることを改めて強く感じた瞬間でした。そして圧巻は、やはり堀さん手作りの伊達巻きです。柔らかくてずしりと重く、他の料理を邪魔しない甘さで、あっという間に14切れを4人で食べてしまいました。しかもこの伊達巻き、切り口がアルファベットの「e」にそっくり!「今年は『e』年になるよ!」と、伊達巻きに励まされたような気がした元旦の昼下がりでした。(海月)
じっと見ていると笑顔のようにも見えてくる“「e」伊達巻き”。今年1年が皆さんにとって良い年となりますように!
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