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2009年10月 2日 (金)

【東京】「充分おいしい」食事の作り方

Dishes しっかりとしたコンセプトに支えられた全体性があり、その上で細部にまでこだわり尽くしたデザインをすることができれば、もちろんそれに勝ることはありません。
美しく、高機能な材料で、実現したい空間にぴったりの形を積み上げていきたいというのは、僕たちデザイナーの誰もが理想とすることだと思います。
ところが、現実の世界でデザインを進めていくときには、コストという制約によって、いつでもそのような恵まれた環境で仕事ができるとは限りません。
建築のデザインを始めたばかりの頃には、そのような状況によく不満を感じていたものでした。もっと徹底的にこだわって作りたいのに、なぜクライアントはそれを理解してくれないのか。

ところが、いろいろな建物をデザインしていくにつれて、その制約の中での格闘こそが、僕たちデザイナーの力の見せ所なのだなと思うようになりました。
実は徹底的にこだわったベストなディテールを作ることは、それほど難しいことではないんです。目指すところに、ただ一直線に進んでいけば良い。
むしろ、限られた予算の中で、どうやって全体性を高めてくれる細部をつくり出していくのか、「これでも充分美しい」と言えるデザインをいかに生み出していくのかという点にデザイナーの真価が問われているのだと思います。これと同じようなことを食事の準備をしているときに感じることがあります。
例えば友人を招いて、ちょっとリッチにホームパーティーをしたい。そんな時でも揃えられる食材には限界があるし、掛けられる手間にも限りがあります。高級レストランではないので、すべてがベストというわけにはいかない。そんな時、僕はいろいろな工夫をして「これでも充分おいしい」食事を準備するよう心がけています。

ひとつは、料理を作る時にどこかに必ずこだわりを残すこと。あるところは缶詰で済ますけれども、このひと手間は絶対に惜しまないとか、食材はベストではないけれど、調味料だけはあらかじめ良いものを入手しておくなど。

そして、何よりも大切にしているのが、「雰囲気づくりに気を配る」ということです。ちょっと照明にこだわってみる。かわいいテーブルクロスを掛けてみる。美しい花瓶に花を飾ってみる。優れたデザインの食器を使ってみるなどなど、
小物ひとつ、照明ひとつの作用で、料理はびっくりするほどに魅力的なものに変身してくれます。こんなに楽なことはありませんが、とても効果的なんです。

Sglassまた、それらは、たとえちょっぴり高価だったとしても、ホームパーティーに限らず何度でも登場して、食事を楽しいものしてくれます。様々な工夫と価値ある投資。建築同様に、この2つが、限られた予算の中でも「充分おいしい」食事を作り出すキーポイントなのかもしれません。(金子広明)

1枚目の写真は、我家の食器や小物たち。料理の味と雰囲気を高めてくれるとっても頼もしい助っ人です。左はいちばんのお気に入り、スガハラのシャンパングラス。手作りのうねった形状が柔らかく特徴的です。スガハラのグラスは国産でデザインもよく、比較的安価。とっても優秀です。

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