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2009年8月 3日 (月)

【東京】料理と記憶

Kawarasoba 食べ物をおいしく食べることは、生活の中で大切な位置を占めています。しかしながら、味そのものを記憶したり、どんな味だったかを思い出してイメージとして再体験したりすることは、とても難しいことのように思えます。皆さんはいかがでしょうか。僕は建築物ならば、そこを訪れ体験したことや感動したことを映像として心の中にしまい、時折そっくりそのままに引き出すことも難しくはないのですが…。

下関川棚温泉名物「瓦そば」。「なんちゃって瓦そば」は家庭でも簡単に作るとこができます。茹でた茶そばを炒め、お好みの具材をのせ、麺つゆで食べます。本物の瓦に載せるのはなかなか大変だと思いますが。

僕の食べ物に関わる記憶は、「誰と一緒に何を話しながら食べた」とか「どこを旅行しどんな雰囲気のレストランで食べた」など、他の情報とセットになって思い起こされることがほとんどです。味そのものを記憶することは難しいのですが、その場の雰囲気やシチュエーションが強力な手助けとなって、料理が記憶に焼き付いているのだと思います。さらに、記憶の中に「おいしかった!」という思いがあると、豊かな情景がぱっと心に蘇ります。

Tsuhoshimaoohashiそんなおいしい記憶の一つに「瓦そば」があります。僕の故郷・北九州市の隣、下関市川棚温泉の名物で、角島の風景とセットになって思い出される料理です。海面を疾走するかのような角島大橋を駆け抜けて、サンセットを眺める。帰り道に瓦そば発祥の店「たかせ」本店に立ち寄ったあと、川棚温泉に浸かって海沿いの道を走り家路につく。暑い夏の日にはこれ以上ないドライブコース、東京にいながらにして、下関の美しい夏の景色とともに瓦そばの味わいが、いつでも心に広がります。(金子広明)

本州から角島にのびる角島大橋。意図されたことなのかは分からないけれど、あえてデザインしていないように見せることで(あるいはそう見えることで)、海面を疾走する感覚が際立ちます。

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