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2009年8月 5日 (水)

【三重】漁師の保存食「干物」

Shiira志摩半島の南部にある志摩市浜島町を訪れました。盛大な「伊勢えび祭」で有名な町で、三重県を代表する漁村の一つです。鮮魚屋さんには、夏の浜島ならではの干物が売られていました。今回はその中のいくつかをご紹介します。

まずは「シイラ」(ハワイでは「マヒマヒ」とよばれています。最近は、この名称の方が知られているかもしれませんね)。浜島ではカツオに紛れて沢山のシイラが獲れるそう。カツオはどんどん売られていきますが、シイラは沢山余ってしまいます…、そこで干物にして地元の方たちは保存食にしてきたのでしょうか。
シイラの干物。「ガォーッ」という感じですが美味しいです。

シイラは鮮度が命のため、こだわりの漁師さんは、船の上でシイラをさばき、塩締めすることもあるそう。ひと手間かかるシイラ干しは、カツオ漁が盛んな浜島ならではの逸品です。少しモチモチした食感で脂も適度にのり、結構、美味。しかし、浜島近辺のみで売られることが多く、県内でも地元の人だけがそのおいしさを味わえる隠れた食べ物なのです。シイラ干しは8月の間、店頭に並ぶそうです。

2つめは「アブコ」。アブコはブリの幼魚で、この地域では大きさごとに「モジャコ→アブコ→ツバス→ハマチ→ワラサ→ブリ」と呼び名が変わります。アブコの大きさは30㎝前後で成魚のブリの半分以下。ハマチほど脂がのっていないので、干物に適しています。新鮮なアブコの干物は、炙る前にキラキラと背が光り、若々しさいっぱいです。引き締まった身は、干物というよりも生魚を少し炙ったような味わいです。

そして3つめは「アイゴ」です。沿岸に住み、主に海藻を好んで食べる魚です。ヒレの棘に毒があり、それは死んでも消えないため、ヒレを全部切り落としてから干物にします。少し磯臭く、刺身では敬遠されることもありますが、意外にあっさりとした味です。上身が骨からとれやすく、とても食べやすい干物でした。

最後は「ウツボ」です。ウツボは非常に生命力が強いので、女性が産後に食べると良いといわれたり、正月や結婚披露宴などの祝い膳に登場するなど、地域に密着した魚です。小骨が多く、加工するには手間がかかるので、ウツボの干物はあまり市場に出回りませんが、炙ったり、油で炒めたりすればお酒のおつまみに最適です。焼くとジュウジュウ滴り落ちてくるほど脂がいっぱい、良質なコラーゲンもたっぷりです。グロテクスな見た目に反して、女性向けの干物です。

Sengyotenmae これらの干物は、前日のカツオ漁などに混じってあがったものを、鮮魚店のお母さんがさばき、塩締めして干した手作り品ばかり。その時々で獲れた魚を地元のお母さんたちが「海の恵みの保存食」にしているのです。(大坪恵子)

鮮魚店のすぐ前が港です。

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