【東京】辛いのがお好き? インドネシアの楽屋弁当と差し入れ
今春、インドネシア・バリ島で制作された新作の音楽劇が、首都ジャカルタで上演されました。スポンサーが沢山付いたこの作品は、舞台裏への差し入れも充実。連日楽屋には豪華なお菓子や珍しいスナック、果物の数々が届きました。中でもバリ人に大好評だった差し入れをまずはご紹介しましょう。
写真1枚目の笹団子のような形状の食べ物、これがバリ人好みの一品です。その正体はインドネシアの「かまぼこ」。魚のすり身を棒状に成形し、バナナの葉に包んで炙り焼きした食べもので、食感は日本の板かまぼこのよう。噛むと「ぶりん」としたかまぼこの弾力に、歯が押し戻されるような感覚があります。大きさがまちまちだったり中身もちょっと焦げていたりしますが、それは計量、成形、炙り焼き、と一連の作業のほとんどが手作業で行われるため。そして、写真に写っているオレンジ色の物体が、かまぼこのソースです。日本ならわさび醤油といきたいところですが、バリやジャワでは大抵ピーナッツと唐辛子を和えたもの。これが辛かった! 辛さに強いバリ人さえも思わず「Pedas !!」(プダス=辛っ!)。魚のうま味が詰まったかまぼこはバリ人に大好評、あっという間に箱は空になったのでした。
さて、続いては2枚目の写真。こちらはかまぼことはうって変わり、バリ人に不評だった楽屋弁当です。インドネシアのお惣菜の味付けは、ココナッツ、唐辛子、塩、ターメリックによるものがほとんど。ですが、このお弁当の惣菜はインドネシアでもジャワ島に見られる味付けで、辛さより甘さが引きたっていました。日本人の私には「インドネシアの味!」でおいしかったのですが、辛い味付けを好むバリ人からは「これをおいしいと思うのか?!」とちょっと軽蔑されました。
そんなバリ人たちはまた、「白いご飯が無ければ食事じゃない!」ときっぱり言い、「腹が減っては戦はできぬ!」と舞台の「出」の直前にも、白いご飯とおかずでしっかりと食事をとるのでした。(海月)
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海月:山と海と川と水田に恵まれた山形県鶴岡市の生まれです。おいしい物集積地の東京に住んで35年、おいしい物好きのホストファミリーがいるバリ島へ通い続けて26年。ダイエット出来ないのは宿命か!? 自分の心身に心地よいおいしさを与えてくれる物を求めて彷徨中!
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