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2009年5月15日 (金)

【東京】そこにあること、あり続けること

Unohana 「一番人気は卯の花。毎日、直径50cmの大釜で約7キロを三回は煮るのよ。それで間に合わない日もあるくらい」

恵比寿駅駒沢通り沿い、人通りの絶えない代官山との中間地点に位置する、煮豆と惣菜の店、「恵比寿中島」のおかみ、せつさんはいつもにっこり出迎えてくれます。今秋、創業49年を迎える店の佇まいはこじんまりとしていながらも街の顔。老若男女問わず客足は閉店まで途絶えません。先代の、ご主人が49歳で早世され、三人の息子さんがレシピや調理法を受継ぎ、せつさんが「お父さん」の味のチェックを行っていらっしゃる。

煮豆・煮物の店で始め、弁当専門店やコンビニもない頃、先代は近くの会社の依頼を機に弁当屋の走りともなりました。お惣菜の数々は、天候や素材の状態により微調整されつつ「基本の味に忠実」に作られます。新商品開発はあえて積極的に手掛けていないそうです。

Setsusanそのスタンスは、私が昨今世の中の動きに感じていた違和感を解消させてくれる安心感を与えてくれます。食物は人の体を作るもの、売上重視のビジネス展開が先に来るものではありません。日常の食卓には、きちんと作られ、安心して口にでき、作る人の気配を感じられるものがご飯と一緒にあればいい。そういうものを繰り返し食べ、その中での微妙な味わいの変化を楽しみたい。

私はそんな気持ちを再確認したくて、せつさんの顔が見たくて、せっせと会社帰りに覗きます。いつもそこにあり続けてくれることのありがたさ。「今日は何がありますか?」

一年間、どうもありがとうございました。(松山聖子)

「恵比寿中島」の、せつさん。「いつもは写真を撮らせてくれないよ」と息子さん。仲のよいご家族です。今回は例外的に写真に収まっていただきました。
冒頭の写真は、人気商品「卯の花」。
昨年11月のブログで紹介した国産食器に盛られた卯の花とカボチャの煮物も「恵比寿中島」製でした。

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