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2009年5月18日 (月)

【ゲスト/東京】東京で秋田を味わう-2「伝統食材」

納豆には「とんぶり」を普通に混ぜ、きりたんぽ鍋には「三関せり」の根を入れる生粋の秋田育ちですが、案外、地元のことって知らないものですね。
秋田県の食料自給率(カロリーベース)は、なんと174%だそうです(平成18年度/農林水産省)。教えてくれたのは「料理通信」でお馴染み、柴田香織さん主宰のフードリテラシー研究会が行った、伝統食材のリテラシー〈秋田編〉です。

伝統食材について識り、そのものの味をテイスティングし、さらにはシェリーヴィネガーやオリーブオイル、酢味噌、卵黄などさまざまな調味料と組み合わせて“味覚の探検”を行うこの研究会。後半は、広尾「プティポワン」の北岡尚信シェフが伝統食材をフレンチで表現するというユニークな構成。ナビゲーターは秋田県東京事務所の加藤はなゑさん。おっとりとした秋田弁に会も和みます。

秋田では伝統野菜に定義があり、
1.昭和30年代以前から県内で栽培さていた
2.地名、人名がつくなど秋田県に由来している
3.現在でも種や苗があり生産物が手に入る、という3つの事項を満たすもの。その中から、今回取り上げられた4つの伝統野菜は以下の通り。

「とんぶり」…畑のキャビアと呼ばれる、ほうき草の実。プチプチと弾ける食感。
「秋田さしびろ」…九条葱系の葉葱。やわらかくて甘みが強く、噛むとシャキシャキ、しかし葉の内側がつるっとしている。
「山内にんじん」…水分値が低く、肉質のしっかりしたにんじん。生より加熱することで濃厚な甘味になる。
「三関せり」…清流水に恵まれた湯沢市三関地区のせりは、長くてしっかりとした“根”においしさがある。

また、秋田県の限られた地域で特産品となっている3つの食材は次の通り。
「ヤマノイモ」…里芋に対する、山の芋。県北の大館で生産され、非常に粘度が高い。
「山ウド(白神山うど)」…世界遺産・白神山地の麓で生産される、半緑化うど。アクが少なく、生で食べられる。
「ギバサ」…茶色の海藻が、熱湯をかけると鮮やかな緑に変わる。これを包丁でたたいて、たたいて粘りを出し、酢醤油や生姜醤油でいただく。

Photo_5 日本海に面し、南に鳥海山、北に白神山地、東に奥羽山脈を持つ秋田は、地域によって気候の特色も違い、食も違います。が、柴田さん曰く「多くの食材が、プチプチねばねばの“食感”に特色あり」とのこと。たしかに上記でもとんぶりはプチプチ系、さしびろ、ギバサ、ヤマノイモはねばねば系。名物ハタハタのぶり子に至ってはプチプチもねばねばも両方ある! そんな風に他県の人からの評価は、新たな価値を食材に与えることができる。それも伝統食材のリテラシーの目的だそう。日本の地方の伝統食材への再評価、期待しています。(ライター 井川直子)

Photo_6この日のお料理4皿から2皿をご紹介。写真右上:「畑のキャビアとキャビア茄子 ガーリッククルトンを添えて」。茄子のねっとりととんぶりのプチプチが楽しい一皿。

写真左:雌は150日以上、雄は100日以上の飼育期間、28日齢以降は平飼いまたは放し飼いで育つ比内地鶏。肉の豊かなコクと脂のうま味が違います。その皮目をパリッと焼き、カリカリの三関せりの根を添えた「比内地鶏のポワレ じゃが芋のピュレと三関せり根のフリチュール」。

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