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2009年4月27日 (月)

【宮城】味覚の弁証法

ソースとワイン、素材とハーブなど味覚や香りの組み合わせは本当に楽しいものです。ただ、おいしい組み合わせでも、無難な組み合わせや、全く違った地平に連れて行ってくれる組み合わせなど、それぞれ程度があるのも事実です。私は、それをヘーゲルのひそみに倣って、味覚の弁証法と呼んでいます。

味覚の弁証法は、料理や飲み物の組み合わせだけでなく、料理とサービス、料理と雰囲気の組み合わせも大きな要素だと思います。そう考えると、例の命題が頭をよぎります。「人は何故、わざわざその土地へ行って、その土地の料理を食べるのか?」これほど、食材のグローバリゼーションが進み、革新的だけれど無国籍な料理が幅を利かせても、依然として、「土地の料理をその土地で食べる」という楽しみは大きいと思います。

では、移動不可能な土地の特徴とは何か。やはり、料理人、サービス、周りの客など土地の人が醸し出す雰囲気が大事なのかもしれません。日本の郷土料理で味覚の弁証法を考えた場合、土地の人や土地の人が話す言葉が、料理の相方として大事なのではと思います。

Robata遠方よりお越し頂き、「仙台で食べる」ことを最も感じられるのは、このお店に止めを刺します。昭和20年代から仙台の文学者たちに愛された、「元祖 炉ばた」です。仙台の地の物が食べられるだけでなく、仙台で最も美しい仙台弁を聞くことができます。お店に入ると、おかみさんが「おばんでござりす」(こんばんは)と迎えてくれます。そして、仙台の銘酒「天賞」をいい加減飲んで店を出るとき、その背中には「おみょうぬず おしづかに」(明日も平安な日でありますように)と声がかかります。(天野 元)

●元祖 炉ばた
宮城県仙台市青葉区国分町2-10-28 TEL 022-266-0897

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