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2009年4月 8日 (水)

【東京】江戸っ子の心根にふれられる天ぷら店

都内のある路地に、ひっそりと一軒の天ぷら店があります。ご主人は私と同じ40歳。17年間の修業の後、自分のお店を開きました。かなり多くの支店を持つ天ぷら系列店のご出身ですが、同期で独立までこぎつけたのは他に1人しかいないほど厳しい世界だそうです。下町育ち、筋金入りのマスコミ・インターネット嫌い(無断で掲載した雑誌社と大げんかしたこともあります)、客が店内で写真を撮るなどもってのほかの、いかにも古風な江戸っ子のご主人の店には、昔ながらの意味での口コミで来るお客さんがほとんどのようです。

『料理通信』創刊号で、「寿司屋のソワニエは文字通りおいしい」というくだりがありましたが、このお店にも同じことが言えます。最初に出てくるお刺身はご主人の気っ風のよさの象徴です。そして、時々、天ぷら以外になにか手のかかった一品を(これが肝腎なのですが)、とてもさりげなく用意してくれているのです。かといって常連だけにいい思いをさせるわけでは全くなく、初めてのお客さんに大変丁寧に接し、決して居心地が悪くならないよう配慮していることがわかります。ご主人が、忙しく手を動かしながらも演出する温かい雰囲気がお店全体に流れ、自然にまたここで食事をしたいと思います。江戸っ子気質の奥には、極めて深遠な気遣いがあるのだ、と気づかされます。

すばらしいお店ですが、残念ながら店名・場所などは明かせません。前述のような人ですので、私がよりによって「ブログなんてもの」で公開したことがわかったら、たちまち絶交されてしまうでしょうから。(金 信秀)

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