【神奈川】4月23日は地ビールを飲もう!
今年4月、地ビールが解禁してから15年目の節目を迎えます。かつてビールの醸造免許は年間2000kl以上のビールを生産しなければ取得できませんでした。これは、大瓶換算にして約316万本。1日に約8,700本のビールを売らなければいけない計算です。新しくビールを製造販売しようという人にとってその基準をクリアすることはほぼ不可能で、実質日本ではビール業界への新規参入は認められていませんでした。
ところが、1994年。規制緩和の一環として、醸造免許取得の基準が年間60kl生産と大幅に下げられます。それが、いわゆる“地ビール解禁”です。なぜ地ビールが解禁されたのか、そのきっかけは何だったのか? その背景にはビールが造りたくてたまらなかった、ある日本人の熱いドラマがありました。
1993年、日本人がアメリカでビールの醸造免許を取得したニュースが『TIME』や『NEWSWEEK』などを始めとしたアメリカメディアを賑わせました。その日本人とは、今は亡き当社先代、岩本光男です。アメリカ人にとって「日本人がなぜアメリカでビールづくりをはじめたのか」、それはとても興味深いニュースだったようです。それに対して先代の答えは単純で、「(上記のような規制があったため)日本でビールがつくれなかった」、ただそれだけでした。岩本の挑戦は、やがて日本のメディアでも話題となり、テレビのコメンテーターや世論はこぞって「日本人がアメリカでビールを造らざるを得ない」状況を糾弾するようになります。それが引き金となり、翌1994年にビール業界参入のハードルが引き下げられました。
あれから15年。今、日本各地ではバラエティに富んだ地ビールを味わうことができるようになりました。来たる4月23日は地ビールの日。ぜひ、こんな歴史に想いを馳せながら地ビールで乾杯して頂ければ嬉しく思います。(中川美希)
写真は、今は亡き先代(父)の想いを継ぎビールづくりに励む現社長兼ブルーマスター、岩本伸久。
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