【神奈川】お正月飾りがバレンタインギフトに変身
突然ですが、質問です。お正月飾りや鏡餅に欠かせないミカン、何と言う名前かご存知ですか? 実はあのミカンはただのミカンではなく、ちゃんと縁起を担いだ有難いものなのです。名前は“橙(だいだい)”と言い、その名の通り橙色をしています。橙は熟した果実が落果しにくく、そのままにしておくと三年はそのまま樹で過ごすことが出来る珍しいミカンです。つまり、1本の樹に祖父母、父母、孫の三代の実がなることがあります。それで“代々”という説があり、お正月飾りに用いられる由縁もそこにあります。
そんな縁起の良いミカンですが、お正月が終わった途端に出番がなくなってしまう可哀想な存在でもあります。と言うのも、この橙は苦味が強く欧米では「ビターオレンジ」と呼ばれているほどで、生食用には向かないのです。唯一加工品として用いられているのが、マーマレードやポン酢。でも、それに使われる量もたかが知れています。だから、橙はお正月が終わると、大量の廃果となってしまうのだとか。
そんな状況を知った私たちは、その橙を何とか活用できないものかと考えた末、バレンタインに最適なビールをつくってしまいました!オレンジにチョコレートをコーティングした伝統的なショコラ「ショコラオランジェ」をヒントに開発。その名も「オレンジチョコレートスタウト」です。橙はマーマレードを作る要領で、皮ごと細かく刻み、大鍋でぐつぐつことこと煮込んで風味を凝縮させ(お砂糖は使用していません!)、それをチョコレート麦芽(モルト)を使用した黒ビールに合わせて発酵させました。皮も果汁も丸ごと使用しているため、グラスに注いだときからしっかりミカンの香り!口に含むと、ほろ苦いチョコレート風味の中にマーマレードのような柑橘特有のほろ苦さも感じます。後口は爽やかなミカン!これまでに類を見ない面白いビールです。
お正月にしか見向きもされなかった橙が、華麗にバレンタインギフトへと変身です!縁起の良いミカンだけに、あの人との縁も末永く続くかも? (中川美希)
オレンジの煮込み風景の一部始終をこちらでアップしています▼
http://sweetsbeer.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-da9d.html
オレンジチョコレートスタウト詳細▼
http://www.sanktgallenbrewery.com/beers/stvd2009.php
写真右上:オレンジチョコレートスタウトに使用している橙。農家の方の話では、皮が緑のもののほうが甘いのだそう。
写真左下「オレンジチョコレートスタウト」 525円(330ml)。髙島屋など主要百貨店で発売中。
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