【宮城】小泉武夫先生、お待ちしています!
東京農大の小泉先生に負けず劣らず、私も臭くて旨いものにトライしてきました。クサヤは言うに及ばずドリアンやスウェーデンのシュールストレミングなど。どれもおいしいと感じている私でも初めて歯が立たないと思ったのが、「あざら」です。胃液のような酸味を感じさせる強烈な臭いだけでなく、見た目も、酷い二日酔いのときの見てはならないモノにソックリです。
仙台から車で3時間、フカヒレやカツオとサンマの水揚げで有名な気仙沼の郷土料理が「あざら」です。その昔、阿闍梨(あじゃり)という高位にある僧が作り方を伝えたことから訛って「あざら」となったもの。白菜の古漬け、メヌケ、酒粕を煮た料理で、熱いままだけでなく、冷めたものも食します。煮込んでから3日ぐらいしたものがおいしいとか。ポイントは古漬けの加減。白菜の漬物がどうしようもなく臭くなったもので作ると白菜も原型をとどめず、強烈な臭いを発し、まさしくアレに近いものになります。(決してケナしているのではなく、褒めているのですが……)
「 あざら」は家庭料理なので、地元気仙沼でもお店で出しているところは、殆どありません。先日、仙台で初めて「あざら」を出す店を見つけ狂喜乱舞しました。聞いてみると、親方の亀卦川(きけがわ)さんは気仙沼出身。恐る恐る味わってみると、これが抜群にうまく、同行した「あざら初心者」にも大好評で、ホッとしたような、がっかりしたような。親方曰く「熟成の浅い白菜漬を使った入門編です」。親方、3年に1回ぐらいでいいから、上級編を作ってもらえませんか? そして、小泉先生を唸らせてみたいですね。(天野 元)
「あざら」の鍋仕立て。メヌケが丸ごと入っています。仙台湾や三陸の魚など地物にこだわる、とってもリーズナブルなお店「炉だん」。
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