【東京】「フランスの食文化を体現する」サラマンジェ
表題の言葉は、虎ノ門「サラマンジェ」脇坂尚シェフのブログにあったものです。サラマンジェに関しては、以前このブログで書かせていただきましたが、最近義憤(!)を感じることがあり、再び書きます。「料理通信」2008年12月号「ビストロ革命進行中」のある記事を読むと、フランスでクネルの原材料となるカワカマスは、日本では冷凍でしか手に入らないと理解してしまいます。しかし、サラマンジェのクネルは、正真正銘フランスから飛行機で届く生のカワカマスを使って作られているそうです。「フードマイレージを短縮するという考え方とは全く逆なのですが・・・」とシェフはおっしゃいますが、そうまでしてフランス式を貫くやり方は、表題にあるシェフの強い思い入れからくるものだと想像します。そのクネルは、食感こそふわふわと柔らかいですが、その中にはシェフの意気込みが固くつまっていて、フランスに行ったことのない私も、しばしかの地での体験を共有したような気になります。
お店付近の道路から東京タワーがきれいに見えます。
クネル同様、意気に感じるのはオニオングラタンスープです。骨付きのスネまるまる1本からスープをつくっていくそうです。気が遠くなるほどの手間と時間がかかっているはずですし、その味わいはまさに筆舌に尽くしがたいのですが、お値段は、本当にこれでいいのだろうかと心配になるほどです。
ところで、シェフのお弟子さんで独特の素晴らしい情緒をかもし出しているタケさんが、春からフランスに行かれる予定だそうです。今のサラマンジェの雰囲気をお知りになりたい方はどうぞお早めに。(金 信秀)
階段を下りるとサラマンジェワールドです。
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