【秋田】鶏百花繚乱
鶏肉と一口に言っても、「地鶏」「銘柄鶏」「若鶏」「ブロイラー」などさまざまな名称があります。
「地鶏」は、在来種(38種)の純系か在来種を素雛の生産に両親か片方の親に使ったもので、在来種由来の血液百分率が50%以上のもの。そして飼育期間が80日以上であり、生後28日以降は平飼いで、1㎡あたり10羽以下で飼育されたものです。つまり、単純に地面の上で育ったとか地元で育ったというものではないのです。
「銘柄鶏」とは、地鶏に比べ増体に優れた肉用鶏品種を両親に使い(素雛の羽色が褐色系の「赤どり」や若鶏と同じ品種の場合があります)、通常とは異なる飼育方法(飼料内容、出荷日齢等)をとり、、その違いを表示したものです。「若鶏」と「ブロイラー」はほぼ同意語です。生後49~56日で出荷される肉用鶏品種の総称で、肉質が柔らかく食べやすいことが特徴です。
さて、前回の「新米と鍋」でも紹介した「比内地鶏」は、日本三大地鶏(比内地鶏、薩摩地鶏、名古屋コーチン)の1つに数えられる、秋田が誇る地鶏です。
「比内地鶏」は、日本固有の鶏である「比内鶏」の雄と在来種「ロードアイランドレッド」の雌をかけあわせて秋田県畜産試験場で育成された地鶏です。キジやヤマドリのようなジビエに似た風味があり、旨み成分であるイノシン酸がブロイラーの1.6倍含まれるなど味わい豊かで歯ごたえのある鶏肉です。(齋藤文信)
比内地鶏の認証制度や詳しい歴史についてはこちら
http://www2.e-komachi.jp/hinaijidori/
写真上:鶏舎で平飼いされる比内地鶏。毛の色は茶系ですが濃淡に差があります。
写真下:部位別に手作業で解体する作業場です(通常はなかなか見ることができない場面です)。
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