【北海道】目からウロコ、創作和食に(も)ウマイものあり!
創作和食にウマイものなし!と感じていました。そもそも北海道の和食って素材自体が美味なのだもの。手を掛けなくても充分に美味なのが強みであり、誤解を恐れずに言い切ってしまいますが、塩振って焼けばなんでもウマイ!それが逆に技巧が育ちにくい弱みだと思っていました。
なので、和食屋なのに『DINING SPACE TAKU』という店名だったり、カフェ風内装だったり、シンプルな白のお皿を見た時は「ふん、コジャレた店でカッコつけやがって。オジサンは騙されないぞ!」と思ったものでした。それなのに・・・。ウマイじゃん!きれいなだけじゃなく、新しいし驚くほどウマイじゃん!しかも先付からデザートまで全8品5460円のコースのお皿。鹿肉は“肉料理”ではなく“お造り”として、タチと雲丹の料理は“魚料理”ではなく“お凌ぎ”として提供されるのですごいボリューム。安いコースで充分かも。
手前は“浦河産真だちと海水雲丹のコンビネーション 根昆布のジュレ”、奥が“根室産鹿肉のタルタル ウニとキャビアを添えて”。どちらもコースの中の一品。(単品としても有り)
オーナーシェフの渡邊卓也氏は32歳。「和食しか経験ないので、食べに行った全ての店が僕の『先生』。リゾットはカツオ出汁ですし、クリームパスタは豆乳や西京味噌を使っているので、このメニューは全て僕にとっては和食なんです」。そうか、洋食に和を無理なく取り入れればこんなに新しい美味しさになるのネ。
「野菜も契約農家と自家菜園から。魚も肉も直接仕入れで、料理に物語性を出したい。同じ年齢の若手シェフが結構いるので、皆で力を合わせて数年後には僕らが新しい風を起こしますよ!」。
実は今、札幌で最も予約の入らない店なのです。探し当てて下さい。(大槻正志)
左が渡邊オーナーシェフ。太い指(笑)から産み出される繊細な盛りつけを見たいならぜひカウンターへ。案外気さくで話好きなお兄ちゃんです。
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