【秋田】イチゴの旬は夏や秋?
イチゴの旬はいつ頃でしょうか。12月や1月と思う方が多いでしょうか。イチゴは30年位前まで、4~6月頃の限られた時期に流通していました。しかし、現在では、ハウス栽培の普及や花を早く咲かせる育苗技術の進歩により11月~翌年5月頃まで収穫するようになりました。この時期のイチゴを「冬春どりイチゴ」と呼び、産地も北海道から沖縄まで各地にあります。生産量は年間約19万トン、面積では約6800ヘクタールとなっています。
写真右:秋田県内で10月に赤く実ったイチゴ。このまま頂きたいです。
一方で「夏秋どりイチゴ」と呼ばれる、6~11月に収穫されるイチゴがあります。面積はわずか100ヘクタール、収穫量では1500トン程度と言われ、非常に少ないです。普通、イチゴは涼しくなければ花ができず、実ができません。産地は夏でも冷涼な北海道、東北や長野の高冷地など、限られた地域です。私の住む秋田県は、隠れたイチゴ産地で、今年の6~7月に東京都中央卸売市場に入荷したイチゴ(輸入品も含む)のうち、約40%が秋田産のイチゴでした。夏や秋にイチゴなんて見たことないと思うかもしれませんが、洋菓子業界では季節を問わずイチゴを使ったケーキが必要で、一年中イチゴ扱っています。もちろん、わずか1500トンの国産イチゴだけでは足りないため、カリフォルニアなどから約5000トン輸入しています。各地の研究機関では、国産の夏秋どりイチゴを増やすために新品種の開発や栽培法の研究を続けています。(齋藤文信)
左はケーキ店で使われるイチゴ。1粒ずつくぼみのあるトレーに入れて出荷されています。
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