【神奈川】今秋“苦くない”ビールが主流に!?
「とりあえずビール」が死語になりつつあるらしい。“苦いから”と、ビールを敬遠する若者が増えているのがその理由。そんな状況を危惧した大手ビール2社が、今秋“苦くない”ビールの発売に乗り出します。低発酵・低アルコール・低炭酸のKIRIN「Smooth(スムース)」を皮切りに、生姜の辛さと爽快感でビールの“苦味”を抑えたアサヒの「ジンジャードライ」。さらに、高温焙煎したチョコレート麦芽でビターチョコ風味を表現したKIRIN「ザ・プレミアム無濾過<ビアショコラ>」。
生姜のビール!? チョコレート風味のビール!? と驚く人がいるかもしれませんが、実はどちらも欧米では普通に親しまれているもの。例えば生姜入りビール。現在ではソフトドリンクとして認知されているジンジャーエールですが、“エール(上面発酵製法によってつくられたビールの総称)”という名前が示す通り、もともとはビールでした。また、高温で焙煎したチョコレート麦芽の存在も、それがビールにチョコレート風味をもたらすことも、ビール業界内では知らない人はいないくらいメジャーなもの。
実は、大手2社が“若者のビール離れ対策”としてこういったビールの発売に踏み切るもっと前から、私たち地ビール会社は違った目的でこれらのビールを市場に送り出していました。生産量が少ないため広く認知はされていないものの、生姜入りのビールは3年ほど前から国内で発売されています。茨木県の地ビール会社、常陸野ネストビールの「リアルジンジャーエール」がそれ。同じく3年前から、当社がバレンタイン時期に「インペリアルチョコレートスタウト」の名でチョコレート風味のビールを発売。我々地ビール各社がこういったビールを発売した目的は“従来の日本にない多彩なビール文化を紹介するため”。発売元それぞれの思惑は違えど、消費者にとって選択肢が増えるのは嬉しい限りですよね!(中川美希)
写真上は、常陸野ネストビール「リアルジンジャーエール」 高知県産の生姜をたっぷり使った、独特の辛さが病みつきに。写真下は、限定3万本が即日完売の“伝説”をもつチョコビール。
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