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2008年7月11日 (金)

【秋田】 「カキフライはじめました」

普通、牡蠣の旬はいつかと聞かれると、秋から冬にかけてと答えることが多いと思います。特に英語圏では“June”(6月)や“August”(8月)など、“r”の付かない月(5~8月)は食べないといわれています。これは「真牡蠣」のことで、夏に旬を迎える「岩牡蠣」というものがあります。そして真牡蠣の多くは養殖ですが、ほとんどの岩牡蠣は天然物です。

Photo_9 ここ秋田でも天然岩牡蠣の素潜り漁が、7月3日に県内有数の産地、にかほ市の象潟(きさかた)地域と金浦(このうら)地域(両方とも難読地名ですね)で解禁されました。漁師の方たちは水深5~10メートルの海に潜り、水揚げします。素潜り漁ですので、天候が悪ければ漁には出られません。また資源保護のため、漁獲量を1日1人200個までと自主規制しているので、流通量には限りがあり、貴重な食材の1つになっています。和食店でレモンを添えて生牡蠣としていただくのはもちろんのこと、岩牡蠣を使ったカキフライを提供するとんかつ店も人気です。

市場にて。殻を剥くのは大変ですが店の人に頼めば剥いてくれます(その場でいただくこともできます)。産地ならではの楽しみです。

Photo_5おいしさの秘密は山にあり。
象潟地域と金浦地域は鳥海山からの伏流水が豊富な地区でもあります。この鳥海山にはブナの原生林など豊かな森林が広がっています。ブナの落ち葉などから溶け出した栄養分が浸透し地中のミネラルをたっぷりと含む伏流水となっていくことで、岩牡蠣のエサとなるプランクトンを豊かにし、おいしい岩牡蠣を育てています。(齋藤文信)

↑真牡蠣に比べると大粒なものが多いです。このくらいの大きさになるまで4~5年かかると言われています。

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