【新潟】 雨は憂鬱? それとも・・・
「雨は気分を憂鬱にさせる」とよく聞きますが、私の場合は「雨の日は気分が落ち着く」と感じています。梅雨空が好きなわけではありませんが、何かホッとする静寂を感じるのです。たまには雨に打たれ、ずぶ濡れになってみる非日常的な体験なども、結構気持ちのいいもの。飼い主に似たわけではないでしょうが、鶏達だって雨の日は随分と静かに過ごし、巣箱などでキズかついてしまう卵の数も、晴れの日よりは明らかに少ないのです。
今年の新潟は、梅雨入りからの6月中、ほとんど雨らしい雨が降りませんでした。コシヒカリに代表される稲作や畑作の作柄はもちろん、関係が薄いと思われがちの漁業でも、今が旬のイカが例年よりも小振りなのは雨が少ないから、と漁師さんは言いますし、新潟の夏を代表する海のミルク「岩牡蠣」の育ちにも影響してきます。
農業を始め、自然相手の職業人は、お天気に文句を言ってはならないと、昔から言われています。自然の中で暮らし、自然の力を享受する。今日の雨も恵みの雨であるはずです。今降っている雨が、きっとどこかで美味しい素材を育てていると思うと、何だか気持ちが前向きになるような気がしませんか。
これからの雨の日。かえって気分がソワソワしてしまうでしょうか。(富樫直樹)
雨の日。手持ち無沙汰な鶏たちは、作業の様子を興味深そうに見にきます。(作業している人がかぶっているのは、当地方独特の女性用農作業帽子「ボシ」)
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