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2008年6月30日 (月)

【ゲスト/シチリア】 地中海の古代マグロ漁 “マッタンツァ”

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●佐藤礼子:シチリア料理・菓子研究家
「食」の仕事歴15年。現在、食の宝庫シチリアにて、食文化を研究中。同時に、シチリア最西端の街、トラーパニでシチリア料理教室「ラ ターボラ シチリアーナ」を主宰。シチリアの食に携わる各種コーディネートも手掛ける。

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1私が住むイタリア・シチリア島の最西端の街、トラーパニでは今の季節、魚市場で日本ではまず見ることが出来ない「生マグロ」を眼にする事ができます。
ここトラーパニは「マグロ漁」で知られた街。かつては、トンナーラと呼ばれるマグロの加工場が近くの街を合わせ4つあり、カラスミ、オイル漬けなどのマグロ加工品が盛んに作られていました。
トラーパニの魚市場で売られるマグロ。大きなナタのような包丁でマグロをさばきます。

4 トラーパニでのマグロ漁“マッタンツァ”は古代から伝わると言われています。4隻の船で四角く陣取りマグロを追い込んでいき、仕掛けておいた網を引っ張り上げます。マグロが海面に浮いてきたところを銛で刺すのですが、船で囲まれた海(“死の部屋”と呼ばれます)はマグロの血で真っ赤に染まるそうです。2かつては、マグロ漁の為に命を落とす人もいたほど過酷な漁だったと言われてい ます。マグロの習性を功名に利用して追い込んでいくマッタンツァ漁が、古代から行なわれていたとは驚きでもあります。かつては1万匹以上も収獲していたと言われるマッタンツァ方式ですが、現在はマグロの数が減ったことと、漁業権などが絡み、1年に1~2回し か見ることが出来なくなってしまいました。3
写真上:近年のマッタンツァ漁の風景。大きなマグロを船にあげるのに男が3人がかり。壮絶な漁であることが想像できます。写真中:かつてマッタンツァ漁に実際に使われていた船。写真下:マグロを海面に引き上げるための網。とても太い縄が細かく編まれ、重量級のマグロが暴れても破けないくらい頑丈に出来ています。


地中海海域でとれるのは「黒マグロ」。5月中旬~7月上旬にかけてトラーパニ付近に回遊してきます。魚市場では、マグロは赤身・トロと部位ごとに分けて置かれ、好きな分だけ購入可能。(20ユーロ(約3300円)/キロ)内臓部分は余すところなく加工されて保存食となります。
私がトラーパニで主宰するシチリア料理教室でも、この時期は生マグロを使った料理のレッスンが可能です。(http://www.tavola-siciliana.com/

これからも、シチリアの食を皆さんにお届け致します。どうぞ宜しくお願い致します!(佐藤礼子)

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