2013年3月21日 (木)

【東京】ベトナムおやつ屋台村

読者アンバサダーの和田です。

『料理通信』4月号『 「シェア」する店の作り方 』表紙のお店、江古田「ヘム」で開催されたイベント「ベトナムおやつ屋台村」に参加してきました!今回の主役は、ベトナム料理ユニット「チェーカフェ」の御三方です。

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写真右から、鈴木珠美さん(西麻布「kitchen」、東京現代美術館「カフェ・ハイ」店主)、足立由美子さん(江古田「マイマイ」「ヘム」店主)、伊藤忍さん(ベトナム料理研究家、ベトナム料理教室「An Com」主宰)。

もう、ベトナム料理好きにはたまらない、すごいメンバーでしょ?

彼女たちがベトナム各地方の「おやつ」をそれぞれ担当。参加者はベトナムの市場みたいな「ヘム」の空間で次々「おやつ」を味わえる、なんともゴージャスな趣向です。それでは、当日の「おやつ」をご紹介しましょう。

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上の写真・左上は、鈴木珠美さん担当の北部のおやつ「鶏のもち米酒煮込みスープの米麺」。

ベトナム北部ハノイの「もち米酒の鍋」をアレンジしたスープでいただくブン(米麺)で、ベトナムのもち米焼酎「ネップモイ」と甘酒が使われています。ネップモイのナッティーな香ばしさと、麹の優しい甘味がかさなり、どこかほっとするような美味しさに仕上がっていました。

右上は、伊藤忍さん担当の中部のおやつ「ホイアン風チキンライス」。

中国の影響をうけたチキンライスはシンガポールやタイなど東南アジア全土に広く存在しますが、ベトナム中部ホイアン風はターメリックと一緒に炊いた黄色いライスが特徴的。ハーブや野菜と混ぜ混ぜして、ヌックマム、鶏スープ、そしてホイアンの豆板醤(ちょっと甘くて、かなり辛い!)で各自好みの味に仕立てていただきます。

左下は、足立由美子さん担当の南部のおやつ「ベトナムバゲットサンド」。

おなじみバインミー!南部のバインミーはタレにこだわるんだとか。今回はさんであった具はレモングラス風味の豚つくね。ヌックマムほかの調味料でしっかり味のついたつくねは、食べ応えばっちりでした。

右下は、おなじく足立さんの「白豆ともち米のココナッツミルク風味のチェー」。

「チェーカフェ」イベントのシメは、やっぱりコレだよね!というわけで、ベトナムを代表するスイーツ「チェー」の登場です。やわらかいもち米とココナッツミルクのかもし出すまったり感がクセになりそう。

チェーは、屋外に設置された雰囲気満点の屋台から運ばれてきました。

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ベトナムらしいディテールへのこだわりは、さすが!

『料理通信』4月号で詳細にリポートされていますが、「ヘム」は敷地に3個のコンテナを設置し、それぞれ麺の屋台、ご飯ものの屋台、スナック&ドリンクの屋台として営業するという、常識やぶりのスタイル。でも、このあり得ない形式が、これまで体験したことのない活気あるムードを作り上げていて、すっごく楽しいんです!

この感覚、やっぱりアジアの市場に似てますね。3月にしてはかなり暖かった当日は、屋外のテーブルと椅子で食事している人もおり、さらに面白い空間に感じました。こういうイベントにも最高のスペースだと思います。

最後に追加注文した練乳入りの濃厚なベトナムコーヒーを味わいながら、伊藤忍さんにお聞きしたベトナム料理のお話にも興味津々。たとえば、おなじみのフォー。実はこれ、フランスの影響で生まれた麺で、意外なことに伝統的な料理ではないそうです。・・・などなど、なんだかコの字型のカウンターに座って先生を囲む生徒たちの気分で、さながらベトナム食文化の講座みたいでした。

さらなるオモシロ企画も用意されているという、江古田「ヘム」。
誰もやらなかったような「場づくり」で、また驚かせてください!
(『料理通信』読者アンバサダー・和田和己)

◎ベトナム料理ユニット「チェーカフェ」
    http://checaphe.exblog.jp/
◎江古田「ヘム」「マイマイ」
    http://www.ecoda.jp/
◎ベトナム料理教室「an com」
    http://www.vietnamfoodnet.com/
◎西麻布「Kitchen」
    http://www.fc-arr.com/site/kitchen.html

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2013年2月20日 (水)

日本のスローフード活動

東京のアンバサダー今井晴子です。イタリア発祥の「スローフード」、日本でも公式の支部があることをご存知でしょうか。スローフード協会とは地域の伝統食や環境への配慮、生産者に公正な評価を行う活動を中心とした国際的なNPO団体です。味覚教育や希少食材の保護活動なども行っています。1989年の設立以来世界中へと広まり現在132ヶ国、支部(コンヴィヴィウム)の総数は1300を超えると言われています。

12月10日。この日はスローフード協会発足記念日「テッラマードレデー」です。毎年各地の支部では食を通じながら、その持続可能な在り方について語り合うイベントが行われます。スローフードジャパン「すぎなみTOKYO」では交流会や情報発信を積極的に行っている「ソーシャルラウンジAJITO」にてイベントを開催。「美食と共に生産者と語らう夕べ」と称し豚肉とさつまいもの食べ比べを行いました。
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豚肉は林 寛康さんの生産する「林SPF豚」からロース、フィレなど5つの部位を。さつまいもは内山研一さんの生産する「紅あずま」「紅はるか」「紅まさり」の3種類です。安全性とおいしさを重視した養豚について、また、さつまいもの出荷時期とおいしさの関係など貴重なお話を伺いつつ、一同試食に入ります。味や触感の違いを話し合ったり、生産者の方に質問したりと会場はとたんに賑やかに。生産者と消費者が直接交流するのも、スローフードならではの活動です。

そして深まる会話の中で「つながり」という言葉が多く発せられました。生産者と消費者、親と子、そして現代から未来へ。持続可能な食環境を守るスローフードには人と人とのつながりが不可欠です。食について知りたい人、そして伝える人を「つなげる」ことの大切さを改めて実感したイベントでもありました。

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社会の中で人のつながりが薄れがちな日本において、人と人がつながる場所、機会を積極的に作っていくことは、日本におけるスローフードの一つのキーワードになるのかもしれません。ご興味のある方は是非、お近くのスローフード支部のイベントに参加してみてはいかがでしょうか。食についてより深い「つながり」が得られると思います。

スローフードジャパン副会長の林俊弥さんが代表を務める「スローフードすぎなみTOKYO」では、食に関する様々なイベントが企画されています。詳しくはHPをご覧ください!

スローフードすぎなみTOKYO 
http://www.slowfood-suginami.net/

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2012年5月31日 (木)

【東京】カレー&スパイス伝道師

読者アンバサダーの和田です。実はボク、カレー&スパイス伝道師ことインド料理研究家・渡辺玲さんのファンなんです。

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渡辺玲さん。クッキングスタジオ「サザンスパイス」の厨房で。

本格インドカレーが一般化し、「やっぱりカレーはナンで食べなきゃね」という認識が完全定着したところに、「いやいや、南インドではライスが主流。カレーも南は北と異なり、あっさりヘルシーで油もひかえめ。さらに、南インドにはドーサなど、主に米粉や豆粉で作られる『ティファン』なる軽食類も多種存在。とにかく、インドという国は広大で、それぞれ地方ごとに多様な食のスタイルがあって、日本人の想像を超えるバリエーション豊富な料理世界が広がっているのだ」ということを教えてくれたのが渡辺玲さんでした。

ついでにボクなんて渡辺さんの著作を片手に、インド各地をさすらってしまったほどです。

そんな渡辺玲さん自らが作る料理をじっくり味わえる稀有な機会が、西荻窪のクッキングスタジオ「サザンスパイス」で開催されるプライベートディナー。ふだんは渡辺さんの料理教室が行われているこのスペースで、有志の依頼に応じて開かれる会食形式のインド料理レッスンです。

さて、ボクが参加した、某日のプライベートディナーの料理を紹介しましょう。

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「ラジマチャット」。ラジマ(キドニービーンズ)をチャットマサラ(マンゴーパウダーなどが入ったミックススパイス)で味付けした酸味のあるサラダ。

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「アワルウプマ」。お米をぺったんこにつぶした押し米のアワルを、ウプマと呼ばれる炒り蒸しに仕立てた南インドのティファン(右)。南インドの定番カレーであるサンバル(奥)や、コリアンダーのチャトニ(左)と一緒にいただきます。

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「ロマネスコの南インド風ガーリック・ペパー炒め」。にんにく、ブラックペッパー、カレーリーフ、マスタードシードなどを使った南インド風の野菜炒め。現地ではカリフラワーが一般的ですが、ここではロマネスコを使って、オリジナルなニュアンスで。

ほかにも、卵のポリヤル、メカジキのスパイス焼き、鶏レバーのスパイス炒め、南インド風チキンカレー、キドニービーンズのマサラ、オクラのサブジ、ジャガイモの辛い炒めもの、キドニービーンズのスンダル…といった具合に、もう惜しみなく繰り出されるスパイシーな美味、美味、美味…。食べきれないぶんはジップロックで参加者各自持ち帰りました。しかも後日、料理の詳細なレシピが渡辺さんから届くアフターサービスまで!

渡辺さんの著書や料理教室でレシピを学び、スパイスを集めて料理すると、誰でも簡単にそれらしい味を作り出せてしまうのもビックリしますが、やっぱり、渡辺さんご本人の料理は全然違います(当然ですが)。コントロールされたスパイス使いは的確で、表情豊か、繊細、といった印象なのです。

クミン、チリ、コリアンダー、マスタードシード、ターメリックなどなど数々のスパイスを、ホールで、パウダーで、炒って、油で熱して、焦がして、混ぜて…様々な調理法でマトリックスのごとく組み合わせることにより無限のニュアンスが生まれる。この、舌上のマンダラを自在にあやつって、スパイスのミラクルをボクたちに教えてくれるのが伝道師・渡辺さんなのです。

う~ん、インド料理はやめられない!

(『料理通信』読者アンバサダー 和田和己)

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●カレー&スパイス伝道師ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/akirawatanabe2191960

●誰も知らないインドカレー
http://www5e.biglobe.ne.jp/~masala/

●クッキングスタジオ「サザンスパイス」
http://southern-spice.com/
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2012年5月 31日 | | トラックバック (0)

2012年5月 2日 (水)

【東京】目黒で“イタリア”を堪能!

ゲスト・アンバサダーの金井麻紀子です。目黒にいながら、トスカーナやピエモンテの田舎へとおいしい旅ができてしまうお店をご紹介します。

東京・目黒4丁目(場所でいうと、元競馬場)に、去年10月、ひっそりと佇む隠れた名店が生まれました。初めて食べたとき、目を瞑ってみると、トスカーナの田舎を車で20分飛ばして辿り着く丘の上のレストランにいるような錯覚(!)に陥りました。

イタリアでしか食べられないと思っていた大胆な煮込みのパスタ料理が味わえるお店です。ワインは、サンジョベーゼやプリミティーヴォ、時にはサグランティーノが料理にビシッと合う!

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私の生活はフランスが主流のため、本当の意味でパスタ料理にワインが合うと実感したのは、イタリア・ピエモンテの生産者との食事と、トスカーナのレストランでだけでしたが、この店に出会ってから、イタリアワインをイタリアの食事でいただく楽しみが新たにできました。店で揃えるイタリアワインたちは、料理との相性もぴったり。

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フランスでは、どのイタリアンレストランに入っても「オッソ・ブッコ」がメニューにあります。仔牛の骨付きすね肉をトマトなどと一緒に髄まで煮込む料理で、フランス人の舌に合わせて柔らかく仕上げられ、リゾットと共にいただきます。ブランケットやブッフ・ブルギニオンに飽きたフランス人に気に入られ、プロヴァンサル風にアレンジされて定着。いまや、日本のカレーのように自国の味にされてしまった料理です。

そんなフランス風オッソ・ブッコが大好きだった私は、遂にここ日本で本物のイタリアのオッソ・ブッコを味わうことができたのでした。

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やや弾力が残る噛み応えのある仔牛ですが、きっちりと煮込まれ味が染みていて、野菜と肉のシンプルな煮込み料理が作り出す独特の奥深いブイヨンが飽きのこない味に! ワインは自然な造りのエルバルーナのランゲ・ネッビオーロがよく合います。

オープンしてまだ半年。秘密の隠れ家なので本当は教えたくのですが……。シェフを応援したい気持ちが勝り、ご紹介します! ひとりで切り盛りしているシェフの作業を間近で見ることができるのも魅力です。

「LA PRIMA PAGINA(ラ・プリマ・パージナ)」
目黒区目黒4-11-1 1F
TEL:03-3715-3880

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●金井麻紀子:輸入ワインコーディネーター
1993年渡仏。ワインに魅せられ醸造責任者の資格を取得。現在も、フランスと日本を行き来しながら、全国でセミナーや試飲会を開催、フランスでは若手生産者の鑑評会の審査員など、良質ワインを広めるため活躍中です。著書に『すばらしきヴィニュロンたち』(モデラート刊)など。
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2012年3月 3日 (土)

【大阪】辻調グル―プフェスティバル!

今回は大阪が世界に誇る食のプロを養成する学校についてご紹介します。実はかくいう私の母校でもあります(もちろん優秀な成績で卒業しましたよ。エッヘン)。その学校が年に一度の卒業展フェスティバルを開催します。その名は「辻調グループ校フェスティバル2012」

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今年は『元気を生み出す美味しい力』というテーマで二日間の開催。一般の方に校内を解放し、食べて、感じて、体験するイベントになっています。

当日は学生たちがつくった本格的な料理が安価で提供されます。それを事前に購入したチケットで食べ歩き、ケーキやパンなどお土産を購入することもできる! 何から試すか? どこから攻めるか? 作戦を練っていくのが楽しいのです。 

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食べ歩きにはチョッとしたコツがあります。先ずチケットは多めに買っておくこと(払い戻し可能です)。毎年かなり混雑するこのフェスティバル、私の作戦といえば、まず辻調理技術研究所へ向かい(いつもすぐ完売になるから)、その後に他の校舎をじっくり回ることにしています。

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それともうひとつ! せっかく阿倍野に来たのなら、あべのキューズモールにある辻製菓技術研究所の店舗型実習室「P.L.T.」(パティスリー・ラボ・ツジ)でお茶とケーキもぜひ。ここで作ったお菓子を一般の方に販売することで、学生たちがより現場に近い環境で学べるように作られた施設です。

さぁ、目指すは食の世界最高学府! 勉強しまっせぇー、勉強できまっせぇ~! 実は私の身内も卒業生で、長男は技術研究所を含めて2年間お世話になり、今春からは甥っ子が辻製菓へ入学。縁の深~い私のいち押しです。未来のカリスマシェフに出会えるカモ!? 食のワンダーランドにぜひ足を踏み入れてみてはいかがでしょう?
(『料理通信』読者アンバサダー 崎田昌弘)


【日   時】 2012年3月10日(土)&11日(日)午前10時から午後4時
【開催場所】 辻調理師専門学校、辻製菓専門学校、辻調理技術研究所、辻製菓技術研究所、エコール辻 大阪、辻調グループ学生センター



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2012年2月18日 (土)

オリーブオイルテイスティング開催!

料理通信』ゲストアンバサダーの小林もりみです。イタリア・スローフード協会の味覚教育講師の第一号であり、スローフード食科学大学および大学院の人気ナンバーワン講師、クリスティアーノ・ディ・リッカルディ氏。イタリアでオリーブオイルの仕事をしている関係で、さまざまなテイスティングの機会に恵まれますが、クリスティアーノ氏のテイスティング能力は卓越しており、出席するたびに驚かされます。

そのクリスティアーノ氏がこのたび来日することに。それに合わせて、オリーブオイル・テイスティングセミナーを依頼しました。ミラノで来週打ち合わせをし、テイスティングの詳細を決めていきます。イタリアでのオリーブオイル第一人者である氏の卓越した技術に導かれながら、新たなオリーブオイルの世界をぜひ見つけていただけたら幸いです。

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これは、青山のキッチンショップ『ラ・クッチーナ・フェリーチェ』の5周年を記念してのイベントにご協力するための企画。イタリア各地の巡って私が選りすぐったオリーブオイルほか、氏が石臼を使って特別に開発したレモンのオリーブオイルを6種類ほどテイスティング。ほかにも、バルサミコの年代別テイスティングもしていただく予定です。申し込みは予約フォームから。定員があるのでお早めに!
(『料理通信』ゲストアンバサダー 小林もりみ)

【日  時】 2012年3月17日(土)14:00~
【場  所】 ラ・クッチーナ・フェリーチェAOYAMA 青山本店
【参加費】 無料
【定  員】 20名

予約フォーム
http://www.lacucinafelice.com/news/shop/#entry-194

(管理人追記)
クリスティアーノ氏は以前、『料理通信』編集部にもお越しくださったことがあります。
その時の様子は
コチラ 。日本のおやつに興味深々でした!

Fin

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2012年2月14日 (火)

【山口】「ふぐ」は身近な食材!?

山口県の冬の定番といえば「ふぐ」。“秋の彼岸から春の彼岸まで”が旬とされていますが、寒さの厳しい今の季節が、実は最もおいしい時期なんです。 (↓写真はトラふぐ)

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豊臣秀吉が全国に発した「ふぐ食禁止令」は徳川時代も続き、明治以後に伊藤博文が山口県のみで河豚食を解禁してからは、下関を中心として西日本でふぐの食文化が定着。近隣 (太平洋北西部、日本海西部、黄海、東シナ海など広く生息で水揚げされる)のふぐが下関に集中したため、下関はふぐの本場として、ブランドイメージも定着することとなりました。

さて、そんな「ふぐ食文化」の盛んな山口県のふぐ事情についてご紹介します。

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ご存知の通り、ふぐの処理・販売には「ふぐ処理師」(各都道府県により呼称は異なります)の資格が必要です。

山口県内の大半の魚屋さんは資格保有者が各店舗にいて、商店街の小さな小売店からスーパーマーケットの鮮魚コーナーまで、「ふぐ刺し」や「身欠きふぐ(毒のある部分を除去したもの)」、「ふぐ皮」が、パックの刺身や切り身と同じように陳列されています。(なんと羨ましい! 管理人)。日常的に非常に入手しやすい環境なんです!

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また、正月や特別な日には、ふぐを魚屋さんで一匹買いして、ふぐ刺しや、ふぐちりを家庭で楽しんだりすることも。上の写真は、地元の商店街の魚屋さんでトラふぐを処理している様子。ふぐにもよりますが、3~4人で1~2万円の予算で十分楽しめます。

私たちにとって、ふぐは“身近”な食材。いいなぁ、山口県……と思った方、ご安心を。空輸便で地方発送をしている魚屋もありますので、どうぞ皆さん、山口県のふぐをお取り寄せしてみてくださいね。
(『料理通信』読者アンバサダー 藤谷幸司)

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2012年2月 8日 (水)

【福井】冬といえば「水ようかん」

突然ですが、もし身近に福井県出身の方がいらっしゃったら聞いてみてください。

「冬にはおこたで、みかんと何食べる?」

生粋の福井県人なら「水ようかん」と答が返ってくるはず。
そう、福井では「水ようかん」は冬に食べるものなんです。え? 変ですか? でもこれ、福井では常識なんですよ。とはいえ、全国的なそれとは様相が違います。期間限定販売で、例年気温が低い11月下旬頃から3月頃まで4カ月余り販売しています。

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街の和菓子屋さん、八百屋さん、お餅屋さんが手作りし店頭で販売。もちろんスーパーにも並びます。多くの製造元があり、寒天の具合や、黒砂糖と白砂糖の配合、そして箱のデザインなどそれぞれの違いも面白く、各人ごひいきの「水ようかん」があったりする。
福井で昔から食べられていた庶民の甘味です。

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福井名物「水ようかん」は、表面のフィルムをめくり、添付のヘラで救い上げていただきます。そのまま食べるもよし、お皿に移すもよし。水々しくて、つるんとしたなめらかな口当たり。甘さも控えめで、一箱ペロリと食べてしまう方も……。季節、味、形、食べ方、どれをとっても「水ようかん」の常識を覆す、福井の「水ようかん」です。

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食べてみたい! という方、お取り寄せも可能ですが、手作りするのもいいですよ。県内で製菓材料卸をされている「カリョー」さんより手作りキットが発売されています。

材料すべて使い切りで計量されていて、紙箱も竹へらも入っている本格的な内容。餡に砂糖と水と寒天を加え、箱の中に流し入れるだけ!! 作り方はコチラから動画でご覧いただけます。


この「水ようかん」手作りキットの販売会が、福井県のアンテナショップ「ふくい南青山291」で、2月25日~27日に開催されます。

私も26日、27日に上京し、現地にてデモンストレーション予定です。関東近郊の方、冬に食べる「福井の水ようかん」召し上がりにいらっしゃいませんか? 福井の特産品と共にお待ちしています。
(『料理通信』読者アンバサダー 佐々木京美)

カリョー http://www.karyo.co.jp/
「水ようかん」手作りキット http://www.karyo.co.jp/main/meikakit/
ふくい南青山291 http://fukui.291ma.jp/

Fin

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2012年1月24日 (火)

【東京】日本初のお弁当屋「弁松」

読者アンバサダーの草薙です。今回は日本橋にまつわる話題を。と言っても、地名ではなく、まさにあの「橋」。2011年は日本橋架橋100周年でした。

橋のある中央区では至る所で100周年を祝うイベントが開催されていましたが、中でも私のハートを鷲掴みしたのは、「弁松」から発売された日本橋架橋100周年記念弁当「百寿」。中身もパッケージも特別仕様のお弁当で、値段もセンスの効いた1911円!! これは買わずにいられません。

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江戸時代の終りに日本橋東河岸で初代が開いた食事所「樋口屋」。忙しい客のために、食べきれずに残した食事を竹皮に包んで持たせたところそれが評判に。三代目の松次郎は食事所をたたみ、日本初の折詰料理専門店を1850年に開業します。弁当屋の松次郎、略して「弁松」と呼ばれていたのがそのまま屋号に。本店のシャッターは浮世絵が豪華!

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そうして今は八代目。創業当時からの濃ゆい味付けを守り続けています。八代目のコレクションである、日本橋を描いたハガキでデザインされたパッケージの記念弁当「百寿」。ふたを開けるとイラストで描かれた100年前の日本橋が飛び出してきます。大人も子どもも楽しめる何ともポップな仕掛けにセンスを感じます。

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中身は甘辛で濃厚な味付けの野菜の甘煮(うまに)、出汁の効いた卵焼き、百人一首にも歌われたタコの桜煮、弁松スイーツの豆きんとんなど、弁松のお惣菜のほぼ全てを味わえるラインナップ。そしてご飯はおめでたい紅白おにぎりという、箱も中身も目も楽しめる豪華な一折。

私の中で弁松と言えばお赤飯のお店であり、お惣菜を味わって食べたのは初めてでしたが、改めて江戸から続く“甘辛”で“濃ゆい”味つけを満喫しました。

ヘルシーで薄味嗜好の今の時代にあえて真逆を貫く姿勢は見事です。確かにどれも甘くて濃い。でも癖になる。この味付けじゃないとダメという常連が多いのもうなずけます。常連さんが100歳のお祝いにまとめ買いするというおめでたい話もあったようです。歴史を、感じますね。
(『料理通信』読者アンバサダー 草薙清子)

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【ブログ、必見です】
「弁松」さんのブログを発見。これがまた、どうにもこうにもユニークなんです。老舗なのにこのユルさ! 営業Cと共に胸を打たれ、二人で“お気に入り”に登録しました。素敵な八代目だなぁ。 (管理人)
「弁松かわら版」→ 
http://benmatsu.seesaa.net/
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2012年1月 4日 (水)

【東京】渋谷にある「ブルターニュ」

突然ですが、みなさんクイズです。下の写真のオリーブに刺さっているのは、何の旗だかご存知ですか? ガレットやクレープをはじめ、ゲランドの塩、有塩バター、塩キャラメル、シードル、オマール海老や牡蠣などの海産物で知られる、フランスの北西部といえば……。

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そう、答はブルターニュ。モノトーンの地方旗は、現地のブルトン語で“Gwenn Ha Du”(グウェン・ア・デュ)=「白と黒」と呼ばれるそうです。

今回ご紹介するのは、渋谷・松涛のクレープリー「ティ・ロランド」。ガレット&クレープの専門店だけあり、ブルターニュ文化に対する並々ならぬこだわりを感じます。まず、エントランスの看板がブルターニュの旗をモチーフにしたデザイン。

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店名の“Ti”はブルトン語の「家」。フランス語なら“Chez”。つまり「ロランドさんの家」の意味。白黒ストライプと、動物の白テンを表す「エルミン」と呼ばれる紋章は、ブルターニュ地方を旅していると何度も目にするおなじみの図案です。

生地には、そば粉と塩、水しか使われていません。卵などを入れる店もありますが、そば粉の風味を最大限に活かすにはシンプルがいちばん。ただ、シンプルであるほど、そば粉の質が問われます。お店では、日本産のそば粉を二種類ブレンドして使用。最終的にそば粉のブレンドをジャッジするのは、お店のクレピエであるジャン・ポールさんが修行したパリのクレープリー“Ti Jos”のロランド夫人だそうです。

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上の写真は、フォアグラ、生ハム、洋梨のソテー、ポーチドエッグ、マンゴーのピュレが添えられたゴージャスな2011年クリスマス・ガレット。いただいたのは、お店で開催されたケルティック・クリスマス・コンサートの日でした。演奏はKAAZ Celtique(カーズ・セルティック)。手前から、山根京子さん(キーボード)、山根篤さん(バグパイプ)、大竹奏さん(フィドル)。

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KAAZ Celtiqueはバグパイプを中心としたケルト音楽のグループ。そう、フランスのブルターニュは、アイルランドやスコットランドに連なるケルト文化の地であり、音楽にはそれが強く反映されています。

ちなみに、最近多くの日本人が耳にした意外なブルターニュ・ミュージックは、ジブリの「借りぐらしのアリエッティ」主題歌かもしれません。歌とハープのセシル・コルベルさんは生粋のブルトン人で、ブルターニュ西部の街、カンペールのレーベル“Keltia Musique”からアルバムをリリースしています。KAAZ Celtiqueも共演したことがあるそうです。

この日は、スコットランド、ブルターニュ、クリスマスソングなど織り交ぜての演奏でしたが、ハイライトはお客さん全員参加のブルターニュ・ダンス! みんなで大いに盛り上がりました!

ブルターニュ色を強く打ち出し、お店のアイコンやインテリアも「白と黒」のモノトーンを基調に、ぐっと大人向けのクレープリーを作り上げたのは、店主の服部さんです。

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もともとホテルやレストラン、航空会社向けのテーブルウェア・プロデュースの仕事をされていたとのことで、店のインテリアや、アティテュードまで含め一貫したスタイルを感じてしまうのは、前職で培われたセンスが関係しているのかな、と想像したりします。

2010年にオープンし、いきなり翌年に震災を体験。店のコンセプトがなかなか理解されないケースもあるそうですが、それでも初志をつらぬく服部さんの姿勢に、ボクはすごく共感しています。

渋谷の小さなブルターニュ。いつも気になるお店です。
(『料理通信』読者アンバサダー 和田和己)

クレープリー ティ・ロランド
http://ti-rolande.com/
http://www.facebook.com/pages/Creperie-Ti-Rolande/135389039899601
東京都渋谷区松涛1-28-11
TEL:03-5456-8177
11:30~21:30(L.O.) 月曜定休

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【今年も1年よろしくお願いいたします】

明けましておめでとうございます。全国各地の食情報をお届けする「ニッポン列島食だより」。今年も緩やかに更新してまいります。たまにプレゼント企画を織り交ぜてみたり! 今年も1年、お付き合いのほどどうぞよろしくお願い申し上げます。(管理人)
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Fin

2012年1月 4日 | | トラックバック (0)